第三の性と、男女二元性のお話
こんにちは、ふたおです。
「第三の性」
と聞いて、皆さんは何のことかピンとくるでしょうか。
Xジェンダーの別称、と言ってもいいかもしれません。
というわけで、今回は「第三の性」である自分が日常生活で感じる、男女二元制によってモヤッとすることなどのお話です。
Xジェンダーあるある、みたいなものですね。
性別記入欄って必要?
我々Xジェンダーは、男性とも女性ともハッキリとは区別できない性別です。
そのため、日常生活において生じる問題も山積みです。
たとえば、履歴書や公的書類での性別記入欄。
自分の場合は渋々ではありますが、ここはもう仕方がないこととして割り切って、身体の性別で記入することにしています。
しかし、Xジェンダー当事者からするとモヤモヤすることランキングの上位に入る案件だと思います。
最近は特にネット上において、記入欄に「未回答」「その他」「どちらでもない」という選択肢も増えてきて、多様なジェンダーを認めようという社会になりつつあるのかなと感じます。
ですが、やはり公的な書類になればなるほど、男性か女性かということを改めて突きつけられるのです。
履歴書などに「男・女」とある場合、あえて「・」に丸をつける人も多いようですね。
しかしそれは、まだよく知らない初対面の人にカミングアウトすることになるわけですから、相当な勇気がいることです。
書類上において、男性か女性かということがそんなに重要なのか、かなり疑問です。
外出先でのトイレ問題
こちらもかなりモヤモヤする案件ですね。
これに関しては、トラブルを起こさないためにも身体の性別に従っている人が多い印象です。
男性が「心は女性だ」と偽って女子トイレに侵入した、とニュースで騒がれたこともありましたからね。
そう言うと「多目的トイレに入ればいいのでは?」という声も多く聞きます。
あくまで自分の場合としてお話しますが、自分が多目的トイレに入ることで車椅子の方や身体にハンデのある方が使用できなくなってしまうと思うと、なんとなく躊躇してしまうのです。
性別の問題ならば自分の中で折り合いをつけて、グッと我慢できたら、一応は難なく済ませられることです。
しかし、身体にハンデがある方は多目的トイレしか使用できないのです。
そのような方が並んでいないならササッと済ませて出れば問題ないのでしょうが、多目的トイレに入る時の周りの目が気になるという人も多いと思います。
身体と心の性別にギャップがあるとは言えど、周囲の人からは身体的に何のハンデもないように見えるでしょうからね。
そのため、男女兼用トイレや、レインボーマークが記載されている多目的トイレは、ストレスフリーに入れてありがたいです。
そもそも「第三の性」は理解されにくい
ここ15年ほどでFtMやMtFといったトランスジェンダーは世間における認知度が高まってきました。
そのため、第三の性であるXジェンダーに比べるとトランスジェンダーは周囲の理解が得られやすい気がします。
誤解しないでほしいのですが、トランスジェンダーの人も様々な問題を抱えているので、決してトランスジェンダーの方が楽だと言いたいわけではありません。
あくまで社会における認知度、理解度の話です。
昔に比べると多様性が認められる社会になってきてはいますが、男性でも女性でもない「第三の性」の存在があることを知らない人が多いのも事実です。
男女二元制が当たり前だとして生きてきた人からすると、その存在をすぐには受け入れられないのも当然かもしれません。
これは個人的な見解であり、ちょっと意外な話かもしれませんが、一般的なシスジェンダー(身体と心の性別が一致している人)よりもトランスジェンダーのほうが男女二元論の意識が強いように感じます。
おそらく、シスジェンダーの人は「第三の性」の存在を知らないだけなのに対して、トランスジェンダーの人は身体と心の性別が真逆なので「第三の性」を知りつつも男性か女性かハッキリしたい、という気持ちが強くなってしまうのだと思います。
男女二元制は淘汰されていく?
先ほどもお話した通り、今の社会では「第三の性」の存在を知らない、または理解しがたい人の方が多いです。
しかしそれは、ただ単によく知らないだけなのです。
セクシャルマイノリティーの知識がない人が「もしかすると自分はシスジェンダーじゃないかも?」という考えに至ることはほとんどないでしょう。
なんとなく生きづらさを感じていながらも、自分がシスジェンダーではないと気付いていないだけ、という人も実は一定数いるのでは、と個人的には思います。
「第三の性」という存在の認知度が高まることで初めて自分事として考える人も出てくるのでしょう。
自分の心の性別について考えたことはありますか?
自分は男性または女性だと確信をもって言えますか?
男女二元制によって生きづらさを感じていませんか?
性別は男性か女性かの二通りだけではありません。
それに「第三の性」といっても様々な人がいます。
人の数だけ性別がある。それこそ十人十色であり、そこには境界線も存在しない、まさにレインボーなのです。
「第三の性」の大まかなタイプについては、Xジェンダーについて解説した記事をご覧ください。
ところで「Xジェンダー」って何? - セクマイ&うつ病の徒然記。
「第三の性」の認知度が広まることで心の性別を自由に選べる社会になって、性別による生きづらさを感じる人が少なくなれば、と願っています。
個人的には、遅かれ早かれいずれそういう時代がくると確信的に思っています。
それでは。